包括遺贈と特定遺贈について

1.遺贈とは

大切な遺産を通じ、ご自身の想いを次世代へつないでいく。人生の最期をむかえるときに行う寄付は、「遺産寄付」や「遺贈寄付」と呼ばれています。なかでも、ご自身が遺される財産について、遺言書を通じて法定相続人※以外の個人、又は団体に贈ることを「遺贈」いいます。

※法定相続人の範囲は、ご本人の配偶者、子ども(または孫、ひ孫)、親(または祖父母)、兄弟姉妹(またはその子)までです。

2.包括遺贈について

包括遺贈とは、遺贈の目的物の範囲を相続財産の全部又は相続財産に対する一定の割合をもって表示する遺贈です。

包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有し、相続の承認や放棄、遺産分割等の規定が適用されます(民990条)。

例えば、遺言書に

「遺言者は、その所有する財産のうち3分の1を長男の妻〇〇〇〇に遺贈する。」

と書きます。

3.特定遺贈について

特定遺贈とは、特定の財産、個々の物件を指定することです。尚、特定遺贈は遺言者の別段の意思表示がない限り債務を承継しません。

例えば、遺言書に

「遺言者は、その所有する下記土地を長男の妻〇〇〇〇に遺贈する」

「遺言者は、債務者〇〇〇〇に対して有する令和〇年〇月〇日に貸し付けた金100万円の貸付債権を長男の妻〇〇〇〇に遺贈する」

と書きます。